2011年8月21日日曜日

ある闘争

「まったく、あいつらときたら、ろくな飯もよこしやしねえで。こっちもだてや酔狂で猫をやっているんじゃねえんだ」
 オレオは血気盛んな青年である。かれの雇い主からの手当てに不満があり、くすぶっていた。この若く、恰幅の良い青年は、内側からあふれる衝動に突き動かされ、何かむしゃくしゃした気分だったのである。そのとき、かれの視線のさきに気弱そうな若者のすがたをみとめた。
「なんだ、このひょうろくだまが」
 オレオと比べると、その若者はごくふつうの体つきで、ちょいとばかりにらみをきかせればシッポを巻いて逃げ出しそうなていだった。



 若者はがばりと身をおこした。たちあがると若者の身の丈は一尺五寸にもなった。立ち上がりながら若者はオレオのあたまに向かってすばやく左腕をつきだしたのだ。



「おお、いったいなにしやがんでえ、あぶねえな」
 予想できない攻撃にオレオはたじろいだ。おとろいて腰が引けてしまっている。



 若者は地面に足をふんばりオレオを横目でにらんだ。興奮のあまりかれのシッポは、かれの首の太さにまで脹らんでいたのである。


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昭和三十年代くらいの小説を読んだら、文章がどことなく昔風でした。一文一文をとってみたらそれほど違いはないように思えるのですが、通読するとちょっと今と違う。なんとなくそののりで(成功しているとは言い難い)。

2011年8月11日木曜日

遠近法、なの?

オレオとひじきが仲良く並んでます。


あれ? 気のせいかオレオのほうが顔が一回り大きく見えるよ。
遠近法、だよね。オレオの方が近くに座っているのよね。




うん、やっぱりオレどんのほうが手前に座ってるね。3センチくらいだけど。え、遠近法、よね。


にしてもオレどんはガニマタだなあ。

2011年8月2日火曜日

公式記録会

先日、年に一回のお楽しみ、ワクチン注射に行ってまいりました。


「楽しくなんかないにゃー」


昨年の反省を踏まえて、準備は手早く気づかれないように、です。オレオとひじきが寝起きでぼーっとしているところを狙ってキャリーに入れました。キャリーに入れた後、にゃーにゃー抗議されましたが受け付けられません。

うちにあるのは犬用の大きいサイズのキャリーです。二匹ばらばらにしたら不安がるかもとひとつに入ってもらってますが、ええと、重い。。。あきらかに過積載です。あまりの重さに、キャリーをカートに乗せて運んでしまいました。家から車までの距離だけなんですが。
動物病院につくまではにゃーにゃー苦情の多かった二匹ですが、待合室に入ったとたんに静かになりました。他の動物の気配が怖かったんでしょうね。

診察室でまずはひじきの番です。腰砕けのひじきをキャリーから引きずり出し、診察台で体重測定すると先生が
「4.5キロ、去年より増えましたね」
あー、増えてますか。なんかひじきは変わっていないような気がしていましたが、400グラム増えていたそうです。
びびりすぎて凍りついたひじきは借りてきた猫状態、診察、ワクチンともに手早く終了です。


「やれやれ、大変な目にあった」

さて、おつぎはオレオ。キャリーから引きずり出そうとしますが、どうしてもでてきません。四肢を床に突っ張って全力で抵抗です。診察台に乗ってからも逃げる逃げる。看護士さんによじ登ろうとします。なんとか診察台に静止させて体重測定すると、
「……すごく増えましたね。5.6キロ」

すごく、です。ええ、すごく


「すごく」の証拠

先生が顔を見ようとしたら顔を背けたのがかわいかった。無駄だってば。

二匹とも健康でワクチン注射もできました。オレオの体重のことは特に指摘されなかったんですが、これ以上増えそうなら考えねばなりませんね。